特別支援学校で教室不足

 少子化で子どもたちが減る一方、知的障がいなどで特別支援学校に通う子どもたちが全国的に増加しています。2008年に開校した県立村山特別支援学校楯岡校(村山市)でも「毎年、2倍・3倍のペースで生徒数が増えている」。11年度には開校当初21人だった生徒数が4倍の82人にまで増加。県教育委員会が開校時に想定した児童・生徒数50人を大きく上回り、現在も深刻な教室不足に悩まされています。

「校内学習が不便」4教室増築も、まだ足りず

 特別支援学校に通う児童・生徒が増加する背景には、“特別支援教育”に対する保護者や社会の理解が深まったことが要因とされています。07年に学校教育法が一部改正され、『一人一人の障がい特性に応じた教育』を主旨に、特別支援教育が誕生しました。その理念と、高度な学習が一般に知られるようになり「適切な教育を受けさせたい」という保護者が増えました。加えて、学習障がい(LD)や注意欠陥多動性障がい(ADHD)などの発達障がいの子どもたちの認知数の増加も一因とされております。通常は一般学校の通常学級に籍を置くのが原則ですが、中には知的障がいを伴うケースがあるなど、特別支援学校入学への一要素となっているようです。
 まだ雪が残る2月13日、県立村山特別支援学校楯岡校に向かいました。
 同校は県立村山農業高校の北側に位置し、鉄骨平屋建ての校舎とグラウンドで構成され、小学部・中学部・高学部の生徒82人と教員27人が在籍しています。学区は天童・東根・村山・河北・大石田・尾花沢などで、児童・生徒は、バスや親御さんの送迎で通学しています。
 「さようなら!」下校する子どもたちが元気にあいさつを交わしています。正面玄関を入ると大きな下足箱が、玄関スペースを圧迫していました。生徒数の増加に伴い増設されてきたものです。「車イスの生徒には大変、不便な思いをさせている」と出迎えて頂いた髙木正敏教頭。案内して頂き、校舎内を見学させてもらいました。
 はじめに体育館へ。いまでは小さくなり、在校生徒が集う式典・イベントなどの時は、隣接の村山農業高校の体育館をお借りしているようです。「高校側との日時調整が厳しい」と髙木教頭。体育館を出て左側には物置があり「必要なときは教室として使う」という。
 廊下を歩いていくと、中学・高等部の生徒が利用する作業室がありました。室内は戸棚で間仕切りされ、木工と陶工室に分けて使っている現状です。木工・陶工は将来、自立を目指すうえで大変重要な学習です。道具なども一般の学校に比べ劣るため、学習できる幅が限定されると言います。早急な拡充が必要であると感じました。次に向かったのは職員室。途中、図鑑などの数十冊の本が廊下の隅に並んだだけの寂しい“図書館”もありました。職員室も生徒数の増加に伴い、教員数が増えたため、背中合わせでビッチリ机が並んでいました。
 「昨年3月に新たに4教室を増築したが、今後も生徒は増え続けると予測しており、また足りなくなる」と高木教頭。本年度の予算案にも教室の増築費用を計上しています。
 こうした人員増加、教室不足の解消のための施策として、分校や分離学級も考えなければいけません。既存の建物を有効活用し、利用の多い地域に設け、放課後支援でも利用できるようにするのが理想です。実際、天童の親御さんから「楯岡や上山の特別支援学校に通うのが大変」、「毎日の送迎が負担」といったご意見も頂いております。放課後支援まで受け入れる施設の拡充は親御さんの負担軽減にもつながります。議会でもこれらを踏まえ訴える所存です。
 皆様のご意見をお待ちしております。

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