県議会12月定例会 県内の根本的課題を追求

たくましい子どもの育成に向けた教育のあり方について
▼森谷仙一郎
私は様々な学校現場を視察し、学校評議員制、キャリア教育など、いろいろな取り組みを聞いたが、一人ひとりを尊重するあまり、困難な課題に向かっていく「たくましさ」が薄れているのを感じた。以前の子どもたちと比べると競争意識が低く、食べ物なども与えられるのを待っている生徒・児童が多い。「一緒・仲間・横並び」という価値観もわかるが、社会はぬるま湯につかったような生き方では生き抜けない。主体的に生き抜く力を育む教育が必要だと考える。
中山間地域の学校では全校児童が100名程度で、慣れ親しんだ仲間と環境の中で9年間過ごし、巣立つ。高校・大学・社会人へと進むなか、環境変化に萎縮してしまう事例も多い。
個人の尊重は教育における重要な要素だが、丁寧に手をかけることではなく、個人の伸びる力、特徴を活かした指導をしていくことだと思う。これからの山形を担う子どもたちに、変化の激しい社会を主体的に生き抜く「たくましい子ども」を育成する教育のあり方について教育長の考えを伺いたい。
▼教育長
少子化や核家族化に伴い、日常生活の中で兄弟や地域の子どもたちと切磋琢磨する経験が不足がちであるなど子どもたちを取りまく環境が変化してきていると認識している。
本来子どもたちは、強い向上心や挑戦意欲を持っており、その力を充分に発揮させるためには、意図的に「困難・失敗・挫折・試行錯誤・成就」などの体験を積ませることが大切。
具体的には、宿泊学習における登山や野外炊飯などの活動を通して、困難や失敗、達成した時の成就感を体験させることや、意図的に異なる学年の集団を作り、清掃や学校行事で一緒に活動するなかで、下級生を思いやる心、上級生を目標として自らを高めようとする心を育むことに取り組んでいる。
さらに、日常の授業でも、課題可決型の授業を取り入れ、自らの課題に向けて試行錯誤を繰り返す活動を重視している。教師は、すぐに手をかけて教えてしまうことなく、「さんさんプラン」における少人数学級編制の環境を活かし、失敗したらまた考えてみる、友達と教えあうなど、粘り強く学習することができるよう指導している。

●過疎化の進む集落をどうするか
▼森谷仙一郎
山形県は各市町村の人口減少が進むとともに、65歳以上の高齢者率が50%の「限界集落」の数が増えている。県内では91集落が限界集落だ。
私も実際、集落で実態調査を行なったところ、大半の世帯が老夫婦か一人世帯だった。山形県は3世代同居率が一番高く、家族仲良く、親を大切にする県である印象があるが、65歳以上の人口割合をみると、全国5番目ということだ。私はこのような高齢者だけの世帯に支援策が必要だと考えている。荒廃を黙ってみているのではなく、様々な悩みに耳を傾け支援していくことが大事だ。
中山間部は集中豪雨、大雪被害などに怯えた生活をしている。足腰の弱ったお年寄りは外出も難しく、引きこもりの要因にもなる。
市街地の開発などに大きな予算を投じるのは理解できるが、過疎化の進む集落への支援も大切。この現状をどのように認識し、今後の取り組みの考えは。
▼県知事
本県の国勢調査人口でピークだった昭和25年の約136万人から平成22年は約117万人に14%減、また、65歳以上の高齢者人口の割合は、戦後一貫して上昇し、平成22年は27・6%、県内の過疎地域に限って言えば、30・8%となっている。
このような中で、人口減少・少子高齢化による地域の担い手不足や公共交通機関の撤退などによる影響が顕著に現れ、日々の暮らしに必要なサービスの確保も厳しいと認識している。
このような状況を踏まえ、「そこに住み続けたいと願う住民の思いを大切にする」ということを基本として、施策を講じていくことが極めて重要であると考えている。具体的には、地域を支える人材の育成、集落における排泄雪や見守りなどのほか、高齢者の通院や買い物等、日常生活に不可欠な足の確保など、住民が安心して暮らせるための支援を進めていかなければならない。県としては、今後とも、住民に最も身近な自治体である市町村と一体となって、過疎化の進む集落に住んでいる住民の不安を解消し、そこに住み続けることができるための支援に取り組んでいく。

●山形空港 東京便の複数便化について
▼森谷仙一郎
山形空港は東京行1便と大阪行3便が就航し、東京便はことしの上・下期ダイヤとも50席の小型機で、搭乗率は70%程度。山形12時50分発、羽田14時25分発と、利用しにくい時間帯だ。やはり、朝夕2便のダイヤが理想的。この状況から、複数便への運動を山形県をあげて行う必要がある。そのため支援策を明確に示すことが必要だ。
▼企画振興部長
知事が再三にわたり、日本航空に対し複数便化の要望を行ってきた。また、2013年上期ダイヤからの羽田空港発着枠の拡大分として日本航空に新たに3便の枠が配分されたので、山形空港利用拡大推進協議会・会長の山形市長が日本航空を訪問し、改めて要望を行った。
さらに、今回の配分とは別に、地方路線維持のために地域と空港会社が連携し行う優秀な取り組みに対して枠を配分する「政策コンテスト」の導入についても検討すべきとされている。一部報道によるとコンテスト枠は、国土交通省において2013年10月末からの下期ダイヤでの導入を軸に検討しているとのこと。利用拡大などの地域による路線維持の取り組みはもとより、航空会社への財政支援を含む予算金額の大きさも評価ポイントの1つとなっている。県としては、長年の課題である複数便化の実現に向け、この「政策コンテスト」も含む、あらゆる可能性を視野に入れ、取り組んでいく。

【一般質問内容】
今号では一部抜粋して紹介します。
1 たくましい山形の子どもの育成に向けた教育のあり方について
2 人口減少の著しい地域における振興策について
(Ⅰ)過疎化の集落についての基本的な考え方  について
(Ⅱ)交通の確保について
①生活交通対策について
②買い物弱者対策について
(Ⅲ)集落対策に関する県の対応について
3 山形空港における東京便の複数便化について
4 農林水産業創意工夫プロジェクト支援事業について

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