「いつ復旧するのか」地域ごとに隔たり、供給の脆さも露呈

 梅雨前線の活発化で7月18日、山形県内全域で雷を伴った非常に激しい雨が降り、この影響で河川の水位が上昇、河川堤防の決壊の恐れがあるなどして、県内9市町の地域住民に避難指示・勧告が行われました。天童市内では、市中央を流れる倉津川、樽川の水位が上がり蔵増地区で田畑に土砂が流れ込む被害のほか、村山広域水道事業所始まって以来の長期断水に至るなど市民生活に大きな影響を及ぼしました。
7月18日の大雨時から断続的に降り続いた雨の影響で、天童市は同日より水道が長期にわたって、断水に至りました。原因は天童市の水源である村山広域水道事業所(西川町)で250ミリの大雨が降り、土砂崩れが発生、取水口の寒河江川が異常に濁り、水質が悪化。供給不可となりました。このとき、水の濁りの度合いを示す指数「濁度」が通常時を大きく上回る3000度まで上昇していました。職員の方々が昼夜問わず浄水作業に当たるも下がらず、断水となってしまいました。
このことで、市民の皆様はもちろん、経済活動にも深刻な影響を及ぼしました。天童温泉では宿泊の延期・キャンセルを余儀なくされ、飲食店などでも臨時休業が続きました。経済への影響は今後、明らかになってくるでしょう。長期断水を回避できるよう情報を集め、今後への対応に努めなければなりません。
断水後、私も連日、天童市役所や同市上下水道事業所を訪れ、状況を確認していました。市役所には市民の皆様からの電話がひっきりなしであります。「いつから出るのか」「なぜ、うちの地区は出ないのだ」、「呼びかけが足りない」などの苦情・要望です。もちろん、復旧作業は着々と進むものの、その間に雨が降って、また水が濁ってしまうなどのトラブルなどもありましたが、山本市長が陣頭指揮をとり、早期の事態収拾を図っておりました。
要望・苦情への窓口は天童市管工事組合受付の女性の方々が担当しました。私も、現場でその電話でのやり取りを拝見しましたが、その受け答え、口調はすばらしいものがありました。市民の皆様に現状を伝え、理解を求め、できるだけ不安や不快な思いをせぬよう丁寧な説明を心がける。その心意気が伝わりました。
有事の際はやはり混乱と情報の錯綜があるので、臨機応変に丁寧な説明ができる担当が電話口に付くべきであります。

●長期断水に苦情、給水所に列
天童市内の公民館・学校に19か所の給水所が設けられ、自衛隊や姉妹都市の多賀城市等から頂いた援助の水が配られました。給水所ではポリタンクを片手に列ができ、私が見るなかでは整然と並んで順番待ちをして頂き、特に混乱もありませんでした。
北久野本にあるひかり公園=写真=は防災公園として機能し、地下の貯水タンクの水を求め、多い日には1600人を超える人出がありました。
各給水所では自主防災の皆様、自衛隊、そして、職員も不眠不休で懸命に走り回りました。
天童市が一つになって乗り切ったのです。

●県知事に対策要望
天童市における水の供給はほぼ100%近く村山広域水道頼みとなっております。同所の浄水能力を高めてもらうなど、今後の対策を要望しようと7月29日、山本市長とともに、吉村県知事にしっかりと現状を伝え、求めてきました。

●水位が上昇 田畑へ
倉津川・樽川の水位が上がると、最上川の水門を閉めて水量を調節します。これは両河川が合流する最上川の水位が、流入する河川の水位より高くなり、逆流の恐れがあるためです。その際、ポンプ車で溜まった内水の水を、最上川に流し込む作業が必要となります。あまり溜め込んでしまうと堤防が決壊してしまうため、地元の建設会社からポンプ車4台と、国土交通省の1分当たり60トンを吐き出す大型のポンプ車が急遽出動しました。地元建設会社の作業員の皆様に加え、市・県の職員なども駆けつけ、雨の中、奮闘して頂きました。堤防の決壊は免れたものの、樽川沿いの堤防で漏水が発覚。寺津・蔵増から集まった消防団の皆さんが土のうを作って並べ、漏水を防ぐ作業に従事しました。作業はたくましい限り。平日の最中、緊急の招集に対応して頂いた消防団の皆様には心から敬意を表します。
市内を流れる他の河川(立合川、乱川等)では大きな被害はありませんでしたが、今回を教訓に、ハザードマップの要点をしっかり情報化し、今後の自然災害に役立てて参ります。

●常設の排水機場設置を強く要望
蔵増地域は、昔から水害に悩まされております。同地区では、「蔵増地区水害を考える会(結城助一会長)」が組織され、洪水ハザードマップの作製や河川の支障木伐採、下刈り作業、行政への提言、要望などの活動をされております。
今回の災害を契機に、地区住民の方でも操作できる「排水機場」の設置を強く要望していきたいと思います。
天童市内で一日当たり100ミリ相当の雨が降れば、必ず最上川の水門を閉めなければいけません。
蔵増地区への「排水機場」設置は喫緊の課題です。今後の自然災害にも必ず役立ちます。県にしっかりと要望して参ります。

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