平成28年さくらんぼ総括 雇用・市場価格が悪化

 本県の主力農産物のひとつ「さくらんぼ」の収穫が終わりました。収穫前の作柄調査では「やや良い」の判定が付き、農家の期待も大きくシーズンがスタートしました。今年は生育ステージが早く、心配された遅霜も4月に天童市内東部の一部で影響があったものの、全体的に順調な着果数があり、摘果作業に追われた日が続いたのではないでしょうか。
 主力の佐藤錦は摘果、葉摘みの作業が追いつかない6月13日頃から収穫がはじまり、鈴なりの状態で迎えた農家が多かったようです。
 今年の生産量(県内)は平年の45%増、売上高も15%増と農協関係者が発表したものの、資材・人件費に多くの経費がかかり収入が減少する農家も多く見受けられました。一方、早い段階で収穫を進められた農家にとっては収入が多く発生した年となりました。いずれにせよ、今年の総括は次の改善点がポイントとなるようです。

改善点①
 当初から問題視されていた、雇用状態が非常に悪く、収穫、選果、パック詰めの人出が極端に不足していました。背景には天童市内の有効求人倍率が上向いていることなどが挙げられます。パート・アルバイトの雇用ができず、収穫が追いつかない木が多く見受けられました。とてももったいないことです。

改善点②
 佐藤錦の収穫がやっと半分ぐらいまで進んだ6月25日・同27日から、「うるみ果」によって市場の価格下落が起きました。さくらんぼの実勢価格が大幅に下がり、資材・人件費によっては1パックあたり赤字になる価格が示されました。この発表は農家にとってとても痛手でした。しかし、山形県のさくらんぼの価値を下げるわけにはいきません。当然、「うるみ果」などは出荷せず、我慢の時期になっていました。

改善点③
 佐藤錦に続く主力品種・紅秀峰の出荷解禁日が早すぎました。解禁日は県内の農協関係者が一堂に介し、日程を決定するわけですが、佐藤錦の出荷が半分も終わっていないにも関わらず、天童市以外の農協が解禁日を早めることに賛同したため、色が先行したものの甘味が足りない紅秀峰が市場に並び、砂糖錦との価格競争も呈し、価格が不利に働く現象がおきました。
 紅秀峰は満開後、65日を境に出荷する一定の決まりがありますが、市場の状況、佐藤錦・紅秀峰の生育に応じた解禁日の設定が必要です。

 この現状を私はすぐ県の農林水産部の担当と議論を交わしてまいります。さくらんぼは本県の特産であるばかりか、果樹農家にとって1年で最初の現金収入を得られる作物であります。多くの農家と農協の声を精査し、県産のさくらんぼがより一層、市場の期待に応えられるような成果をあげるための施策を求めてまいります。一方、「農林業センセス」によると天童市のさくらんぼ栽培面積は平成22年に500ヘクタール、平成27年に470ヘクタールが姿を消しています。従事者が高齢化するなか、今後も減少率は進むものと思われます。今後は新規就農者を増やす施策や担い手農家が営農しやすい環境づくりが求められます。皆さまの声をもとに、さくらんぼ大国を維持するためにも、県へしっかりと訴えてまいります。

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